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【月次レポート】日米欧で金利低下。株式市場への影響は?

今月のレポートについて

▼3つのポイント
✔日米欧の金利の低下が各国の株式市場に安心感を与えました
✔先進国の緩和競争を発端にするグローバルに利回りを追い求める動きに拍車がかかっています
✔米国の今後の金融政策の行方がポイント

 2019年6月末の日経平均株価は、21275.92円と先月から+674.73円(+3.27%)上昇しました。世界の株式市場は、米中の貿易協議が難航したことをきっかけに大幅に下落した5月の相場環境から、一転して上昇しました。

 米中協議が頓挫して世界経済の先行きが不確実性を帯びる中においても株価が反転した背景は、日米欧の金利の低下が市場に安心感を与えたことが挙げられます。米国の10年債利回りは2016年11月以来の2%を下回り、日本の10年債利回りも約3年ぶりの低水準、ドイツの長期金利は過去最低を更新し、フランスも初めてマイナス圏に突入しました。先進国に広がる金利低下が株式市場への資金流入を促して、株価を押し上げる「金融相場」の様相が強まっています。なぜ金利は低下し続けているのでしょうか。

 まず考えられることは、昨年末から継続している各国の中央銀行に対する金融緩和への期待によるものです。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は18日の講演で、「物価目標の達成が脅かされれば追加の刺激策が必要になる」と語り、マイナス金利の深掘りや量的緩和の再開も視野に入ってくると強調しました。具体的な金融緩和策にまで言及したことは、ECBが追加緩和も辞さない姿勢を鮮明にしているとも解釈できるため、欧州市場では一段の金利低下につながりました。

 米国市場では、 18~19 日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、政策金利は据え置きとなりましたが、次回 7 月会合以降での「予防的な利下げ」に踏み切る可能性が高まるといった結果となりました。”予防的”が意味することは、景気減速を事前に防ぐための実験的な緩和措置を行うというものです。

 FOMCの声明文では、今年の1月に追加された「patient(辛抱強く)」という文言を削除し、「不確実性と抑制されたインフレ圧力を考慮するとともに、経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大を維持するために適切に行動する」との表現が加えられました。また、FOMC参加者による今後の政策金利の見通しが大きく引き下げられ、17人のうち7人が2019年内に0.5%の利下げを想定していたことから、米国金利は大きく低下しました。

 日本においても、19~20日に開かれた日銀の金融政策決定会合では、「追加緩和手段として全ての政策手段を考慮すべきである」との発言や「米欧で金融緩和期待が高まるなど外部環境が変化する中、日本銀行としても金融緩和を強化する必要がある。また、幅広い追加緩和オプションの実現可能性や効果と副作用について、さらに検討を深めておく必要がある」という意見も出ていることから、必要であれば躊躇なく追加緩和を検討する姿勢を示しました。

 この結果、先進国の緩和競争を発端にするグローバルな利回り追求の動きに拍車がかかっています。米国の金利低下により、為替ヘッジ後の10年債利回りは日米欧の中で米国が最も低く、これまで金利が高かった米国から資金が大量に流出し、日本、欧州へ流入する状態にあります。例を挙げると、現在は米ドルを保有している人が米国10年債(金利2%)を購入するよりも、為替ヘッジした日本10年国債(-0.15%)を購入したほうが利回りが良いということです。日本円を米ドルで為替ヘッジすると、短期金利差※の2.4%と、米ドルと日本円の需給の差によって発生する上乗せ金利の0.25%が付与されることになるので、為替ヘッジした日本国債の利回りは2.5%(-0.15%+2.4%+0.25%)となり、米国債を購入するよりも利回りは高くなります。

 このような環境下であるため、米国の金利が低下すればするほど、米国債からより高い利回りを追い求めるために他国の債券に資金が流れ、日本、欧州の金利を低下させにいくという現象が起こっているということも、金利が低下し続けている一因と考えられます。

※短期金利差とは、外貨の短期金利と日本円の短期金利の差を言います。ここで、米ドルの短期金利は米ドル3カ月物Libor(ロンドン銀行間取引金利)、日本円の短期金利は日本円3カ月物Liborを使用しています。

 金融市場にとっての今後のポイントは、米連邦準備理事会(FRB)が7月末のFOMCにおいて実際に「予防的な利下げ」を行うのか、その場合にどれぐらい政策金利が引き下げられるのかであると考えられます。米CMEグループ(シカゴ・マーカンタイル取引所グループ)が試算する今後の政策金利の見通しの確率では、7月会合での利下げ確率を100%(7月2日時点)と予想しており、このイベントが将来の金利の動向を左右することになりそうです。株式市場にとっても、金融緩和期待でリスク資産が下支えされている側面が強いため、今後の動向に注目が集まります。

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